第3回 巣鴨 (東京都豊島区)

3回目は、おばあちゃんの原宿「巣鴨駅」

 

駅前のティッシュ配りは近頃ではもう当たり前のように見えるが、

さすが巣鴨、タオル(?)をもらえる券付きティッシュを配っていた。

そこにおばあちゃん達は群がっていた。

 

巣鴨はいいお天気の日に来るにかぎる。

なかなかすがすがしい気持ちにさせられる街である。

しかし、どこからともなくおばあちゃん達は現れる。

どうしてかあまりおじいちゃんはみかけない。

そして猫もみかけない。なのに、ネコヂャレ。

 

ここは果物屋。どうしてこれが売っているのか謎中の謎だ。

 


巣鴨歌謡劇場。元・若戸あきらオンステージがあるらしい。

好奇心から見てみたい私は、後ろ髪をひかれながらいざ巣鴨地蔵通り商店街へ。

昔、「うしろ髪ひかれ隊」というアイドルグループがいたが、私意外に好きだった。

TVアニメ「ハイスクール鬼面組」を学校から帰って来て家でよく観ていた。

 

巣鴨はお婆ちゃんの原宿というように、商店街がよく知られているが、

駅周辺もなんだかあやしげで探索価値があるのかもしれない。

そんなあやしげなムードを漂わせている駅前周辺に

福々まんじゅうのお店が。

 

私も並んで買ってみた。

 

ここのおすすめは冷やして食べると更に美味しいという、コーヒー大福だ。

買ってすぐに食べてみたが、口の中でコーヒー牛乳の味に変わる。

小さくて食べやすいサイズで、いかにもおばあちゃんを意識して作られている。

その他にあんまん、駿河屋まんじゅう(これはいわゆる豚まんのようだ)

しゅうまいがある。

あんまんと駿河屋まんじゅうは一個ずつ買って家に持ちかえりしたが、

冷えても実に美味しかった。

私は大きさがとても気に入った。また食べたい味だ。

しゅうまいも気になるところである。

 

巨大な石発見。あまり目立たなくひそかにすがもをアピール。

 

巣鴨駅前の信号から、マツキヨの看板がやけに目立つ。

もう誰もが知っているであろうマツキヨ。

ここのマツキヨが一番年齢層が高いのであろうか。

そしてその近くにあるマクドナルドも年齢層が高いのであろうか。

おばあちゃんたちも「マックに寄らない?」などといっているのであろうか。

私はマックのハッピーセットが大好きだ。

私の事務所のTちゃんもハッピーセットマニアらしく、部屋中に飾ってあるらしい。

お店によっては、バリューセットを買ったら90円でおもちゃだけ売ってくれるらしい。

Tちゃんいわく「こんなに手のこんだものが90円!! すばらしい」と絶賛である。

 


ここがかの有名な、おばあちゃんの原宿。

この日は日曜日だったからなのか、銀座の歩行者天国のように、

通りにパラソルとイスとテーブルがあったりして、

おばあちゃんの銀座? っていう感じであった。

 

巣鴨といえば、巣鴨地蔵通商店街である。

ここからがメインストリートである。

のんびり商店街を歩くなんて久しくしていない生活の中で、

意外に忘れていた、幼いころのひとときである。

 

 

カレーうどん。絶品。絶品である。(二度言うぐらい)

 

いつもは混んでいて並ぶのだそうだが、この日はタイミングよく、待たずに座れた。

店に入ると、みんなカレーうどんを食べている。

私もカレーうどんを注文。

しかし、お隣さんはカレーうどんの上にえびがのっている。

美味しそうである。

この店はカレーうどんで有名な店だが、カレーうどんにも種類がある。

カレーうどん、えびカレーうどん、もち入りカレーうどん、えびもちカレーうどん。

カレーうどんもあなどれないということが、この店に行くと思い知らされる。

使い込んでいるのであろう鍋で、カレーうどんの注文を受けると、

カレーをコトコトと温める。

そのお姉さんの後ろ姿を見ていたら、「お母さんご飯まだ? お腹すいた」

と言いたくなるような、そこはかとない懐かしさただよう後ろ姿である。

カレーうどんを食べたことのない人も、カレーうどんに偏見がある人も、

ぜひ食べてほしい味である。

 

縁日毎月四日、十四日、二十四日

 

なかなか賑わっている。私も並んで、お地蔵様にご挨拶をしてきた。

きちんと並んでもらうように、遊園地のようにうねうねと並ぶような鉄柵(?)

があった。おばあちゃんのアトラクション状態である。

私はよく鼻がぐすぐすするので、お地蔵様のお顔の鼻と、肩がこるので肩と、

足がすぐだるくなるので足を重点的になでてきた。

そしてその後、本堂に行き、お賽銭を入れ、お参りし、

私の事務所の妹同様の、かわいい後輩のNちゃんの出産が近いことを思い出し、

「安産腹帯守」を購入した。

お参りのあとのすがすがしい気分を胸に、商店街へ。

 

マルジでは夏の大創業祭が繰り広げられていた。

 

この商店街でかなり幅を利かせているようにみえる洋品店だ。

一度に三軒ぐらい続けてあるのだ。

マルジマルジマルジマルジ。おまじないのようである。

 


ジャケット298円! キャップが100円?

 

500円カサよりも安いジャケット発見。

 


私はお煎餅好きである。この日は買わなかったが、

浅草にもやはり商店街にお煎餅やがたくさんあり、

正月の初詣には、絶対買ってしまうのである。

 

こういうお煎餅やが家の近くにあったら、

毎日のように違う種類のお煎餅を買うだろう。

 


なんだか、商店街を何も考えずに歩いていると、家の近くの商店街か

横浜中華街の商店街かとも思い間違ってしまいそうな頃合いに、

このマップは登場する。

 


おいもやさん、というちょっとかわいい名前なのに巣鴨の雰囲気を漂わす。

 

この日は暑かったので、この店で、紫いものカップアイスをおもわず買ってしまった。

普段食べ歩きなどしないが、こういう場所は食べ歩き解禁なのである。

最近紫いもが流行っているが、おそらくこの店ではおいもやさん、というぐらいだから

以前からあったのであろう。

喉が乾いていて甘い物が食べたかったせいもあると思うが、

やけに美味しく感じられた。

この店に売っている大学いもは計り売りだった。

買って帰りたくなったが、それよりもアイスのほうが食べたかった私なのである。

スイートポテトも売っていて、それも魅力的だった。

 


黒いワンちゃん。おだやかな表情で道行く人々をながめていた。

ただ暑いだけなのかもしれないが、そのおだやかな表情に、何か大きなものに感じた。

 

商店街の通りが終わると、都電の踏切がある。

なんだかよく見ると折れたような形の踏切だ。

踏切を渡りながら、線路を横目に歩くと「スタンドバイミー・巣鴨編」という味わい。

なかなか東京にいると見ることのできない、いい景色であった。

踏切を渡ると、もう巣鴨というよりも、近所の町並みではないかと思う寸前に、

お寺や、駄菓子屋があり、まだ巣鴨の匂いをただよわせている。

 


撮影厳禁と書いてあったのでおもわずあせってしまって、ぶれた。

しかも、男子中学生お断りであるらしい。

 

ちょうど6,7才ぐらいの男の子供とお母さんが入ってきた。

私も店内に入り、子供と同じようにカゴを手に、

ずら〜〜っと並んでいる駄菓子に目をやった。

でも数がありすぎていっこうに決まらない。

その子供も決まらないらしく、一緒になってずっ〜〜と駄菓子選びに集中していた。

すると、いつのまにかカゴいっぱいに駄菓子を乗せた男の子が、私に、

「ほら、ボクこんなに入ってるよ」と自慢した。

可愛くも、悔しいのである。

でもその子は見るからに買いすぎていて、駄菓子やのおねえさんに、

「ちゃんと全部食べなさいよ〜」と言われていた。

私は200円ちょっと買った。

本物の甘栗の袋と同じままミクロになっている、

オリオン☆栗栗甘栗(栗形のキャンディ)

指輪の形のプチリングキャンディ

ちっちゃいクマの形のチョコ

を購入。

スーパーの買った商品を入れるところに置いてあって自由に取れるビニール袋

のようなというかのそれ(?)に入れてくれた。

駄菓子の他にも、いかにもチープな定期入れやシールが売ってて、欲しくなったが、

止めた。これが大人というものだ(駄菓子屋にて)

 


ここのぎょうざは形が丸い。

食べたかったが、カレーうどんを食べてお腹一杯だったので食べられなかった。

店の外にぎょうざの写真があって、美味しそうであった。

 

満腹なのでぎょうざは食べられず、断念して店をあとにした。

今度はここのぎょうざを食べるために巣鴨に来る日はいつになるのであろうか。

最近私はぎょうざを食べたくなることが多い。

スーパーやコンビニなどで売っている冷凍餃子もあなどれなかったりして、

たまに買ったりする。

いつか食べたい、ファイトぎょうざ。

 

 


このコもおだやかな笑顔を向けてくれているのである。

でも、ただ暑い、というのが笑顔のもとなのかもしれない。

女の子の子供達ふたりに、ネックレスをお耳にかけられそうになっていながら

へらへらしていた。

かわいいのである。

 

 

巣鴨地蔵通商店街というくらいだから、お地蔵様に会わなければ

行った意味のない商店街のような気がする。

しかし、お地蔵様と商店街がミックスしているなんて、

考えてみると、うまいぐあいにできているのである。

そういえば、お寺や神社の近くは商店街がつきものである。

それに、商店街が近くにあれば、毎日縁日のような状態だ。

この商店街と他の商店街の違いといえば、

やはり、おばあちゃんがたくさん、というか、

おばあちゃんばかり歩いているということなのであろうか。

しかし、お婆ちゃん達はパワフルだ。

日中日中に、元気に電車に乗って、巣鴨に来るのである。

私も見習わなければと思う次第である。

 

 


商店街のほんの手前にもお寺が。あまり人がいなかった。

 

大きな地蔵様がいらした。

私はお寺の娘の娘なので、お寺が好きで、大仏様と地蔵様とか見ると心が和む。

小さい頃から、お寺に行ったりしていたからであろうか。

 


素敵なおばあちゃんふたり。私もおばあちゃんになったら、

おともだちとふたりで巣鴨に行くのであろうか。

 

 

巣鴨三番街? ということは一番、二番とあるはずだが。

 

 


巣鴨三番街、気になっていってみたら、気になるはずだ、

妙なお店があった。

そして、他にはお店らしきものはない。ということは、

巣鴨三番街は、このお店のためだけに!?

ここのお店のくず餅は、夢の味なのだろうか。

 

 

夢の街、巣鴨。

ある意味、現実のさつばつとした世界とは違った空気が流れているかもしれない。

巣鴨の犬達も夢見心地の顔をしていた。

しかし、巣鴨というとなんとなく猫に会うような気がしていたが、

一匹も猫に会わなかった。

私はもう、巣鴨といえば、カレーうどんになってしまった。

とげぬき地蔵尊の脇の道を入ったところにあるので、すぐわかるだろう。

定休日がたしか、月曜と、祭日・縁日の次の日だと書いてあった気がする。

思い出しただけでも、また食べたくなる、

あきない味なのである。

 

ああ  カレーうどん  夢の味  ここは巣鴨  おばあちゃんの原宿〜原宿です。

第3回 おわり